こころ2026.08.30読了目安 3分
「心のブロック」って、なんですか?——あの日のあなたを守ってくれた、あたたかいコート
文:Ray(光の大黒柱建て師・一級建築士)

この記事の要点
- 心のブロックは、寒い日の自分を守ってくれた「あたたかいコート」
- 季節が変わっても着たままなのは、羽織ったこと自体を忘れているから
- 大切にしたい心の習慣か、もう重いだけのコートか——まずは見分けるところから
- 住まいの中の「手をつけられない一角」が、見分けのヒントになる
「心のブロックを外しましょう」と言われても、そもそもブロックって何ですか——そう聞かれることがあります。今日は、私の仕事の根っこにあるこの言葉を、できるだけやさしくお話ししますね。読み終えるころには、ブロックを悪者ではなく、かつての味方として眺められるはずです。
ブロックは、あなたを守ってくれた「あたたかいコート」
寒い日に、厚手のコートを羽織りますよね。風から守ってくれて、その日はほんとうにありがたい一枚です。
心のブロックも、私はこれに近いものだと思っています。
たとえば子どものころ、思ったことを口にして強く叱られた日があったとします。その日、心は「黙っていたほうが安心」というコートを、そっと羽織ります。心理学では、こうした反応を自分を守るための働きとして説明します。その日のその子には、必要であたたかい一枚だったのです。
つまりブロックは、あなたを邪魔するために生まれたのではありません。あなたを守るために生まれた。ここが出発点なんです。

季節が変わっても、まだ着たまま
コートは、春になったら脱ぎますよね。着たままでいると、汗ばんで、動きにくくて、なんだか重たい。
心の中では、この「脱ぐ」がなかなか起きません。10歳のときに羽織ったコートを、40歳のいまもそのまま着ている。そんなことが、ふつうに起こります。理由は単純で、羽織ったこと自体を、もう覚えていないからです。
そしてもうひとつ。いま着ているものが、これからも大切にしたい一枚なのか、もう役目を終えたコートなのか。着ている本人には、案外わからないものです。長く身につけたものほど、自分の一部のように感じられますから。
ですから、無理にはぎ取る必要はありませんよ。まず、どちらなのかを確かめる。そこから始めます。

見分けるヒントは、家の「触れない一角」
どちらの一枚かを見分ける手がかりが、じつは住まいにあります。
風水では、住まいはそこに暮らす人の状態を映すもの、と考えます。私が拝見してきた住まいにも、たいてい「なぜか手をつけられない一角」がありました。何年も開けていない引き出し、見ないふりをしている棚の上。片づけの話をしたときにも触れましたが、物を選ぶ手が止まる場所には、たいてい理由があります。
見分けるときは、この三つを目安にしてみてくださいね。
- 手が止まる場所はどこか——理由なく後回しにしている一角
- 気持ちが強く動くか——大切にしたいものは静かで、もう重いだけの一枚は触れられると波立ちやすい
- 主語が過去にないか——「昔こう言われたから」で説明できるものは、あの日のコートかもしれません
引き出しをひとつ開けてみる。それだけで、自分の中の何が本物で、何がもう脱いでいいものなのかが、少し見えてきます。
今日のひとこと行動
「なぜか手をつけられない一角」を、ひとつだけ思い浮かべて、書き出してみる。
脱がなくて大丈夫です。今日は名前をつけるところまで。長く着ていた一枚ほど、脱ぐときは驚くほど軽いものですよ。
残暑の残る時季ですから、涼しい時間にひと息つきながらで十分です。心の重さが続くようなら、無理をせず、気になるときは専門家にご相談くださいね。

Ray光の大黒柱建て師/一級建築士
建築の実理と風水の知恵で「家と心」をともに整える、天地結まほろばや主宰。プロフィール