暮らしの知恵2026.10.13読了目安 4分
季節の変わり目「土用」は、整えのボーナス期間——一角だけで十分です
文:Ray(光の大黒柱建て師・一級建築士)

この記事の要点
- 土用は五行の「土」にあたる時期。立春・立夏・立秋・立冬の前の約18日間で、年に4回めぐってきます
- 2026年の秋の土用は10月20日ごろから、立冬(11月7日)の前日まで
- 暦では土を動かす作業を控えるとされる時期。外へ動くより、内を整える時間にあてると流れが軽くなります
- 大掃除ではなく、湿気と収納を見直す「一角だけ」の点検がちょうどいい
「土用」と聞くと、夏のうなぎを思い浮かべる方が多いですよね。じつは土用は年に4回あって、来週から今年の秋の土用に入ります。今日は、この季節の変わり目を「家の一角を整える期間」として使う方法をお話しします。
土用は、季節と季節のあいだの「土」の時間
土用は、古代中国の五行の考え方から生まれた暦の区切りです。五行では、世の中のものを木・火・土・金・水の五つの性質に分けて考えます。季節にあてはめると、春は木、夏は火、秋は金、冬は水。残った「土」は、それぞれの季節の終わりに少しずつ配されました。
それが、立春・立夏・立秋・立冬の前の約18日間です。つまり土用は、ひとつの季節が次の季節へバトンを渡す、つなぎめの時間。土には、ものを受けとめ、育て、次へ送り出す性質があると考えられてきました。
夏の土用の丑の日ばかりが有名になりましたが、春・秋・冬にもちゃんと土用があるんですよ。2026年の秋の土用は、10月20日ごろから立冬(11月7日)の前日まで。ちょうど来週からです。
「土を動かさない」は、内を整える合図
暦や風水の世界では、土用の期間は土を動かす作業を控えるとよい、と言われています。土を司る神様がいる時期とされ、家の工事の着工や、庭の土を大きく掘り返すことは、この時期を避けて日取りを決める方もいます。
これを「してはいけない期間」と受けとる必要はありません。私は、外へ大きく動くより、内を整える時間にあてるという合図だと考えています。季節の変わり目は、体も住まいも切り替えの途中。新しく何かを始めるより、いまあるものを見直しておくと、次の季節へ向かう氣の巡りがすっと軽くなります。
すでに決まっている工事の予定を、あわてて動かす必要もありませんよ。言い伝えは暮らしを窮屈にするためではなく、ひと息つくきっかけとして使えばいいのだと思います。

大掃除ではなく、「一角だけ」の点検を
一級建築士として見ると、秋の土用は住まいの点検にとても向いた時期です。夏のあいだにこもった湿気が、収納の奥にまだ残っていることがあります。そして11月に入れば、暖房と結露の季節が近づいてきます。そのあいだにある18日間は、ちょうどいい準備期間なんです。
とはいえ、家じゅうをいっぺんに片づける必要はありません。土用の18日間で、どこか一角だけ。次の中から、気になるところをひとつ選んでみてくださいね。
| 一角 | 見るところ | 理由 |
|---|---|---|
| 押し入れ・クローゼット | 奥の壁ぎわ、床に直置きの箱 | 空気が動きにくく、夏の湿気が残りやすい |
| 窓まわり | サッシの溝、網戸、カーテンの裾 | 結露が始まる前に、汚れを落としておける |
| 台所の流しの下 | 配管まわりの湿り、しまいっぱなしの物 | 水まわりの収納は湿気がこもりやすい |
| エアコン | フィルターのほこり | ほこりがたまると暖房の効きが落ちやすい |
衣替えの前に収納を見ておくと、しまう服も気持ちよく休ませられます。晴れた日に扉を開けて、30分ほど風を通すだけでも十分です。風水でも、こもった場所に風を通すことは、家の氣を入れ替える基本と考えます。

今日のひとこと行動
土用の18日間で整える「一角」をひとつ決めて、カレンダーの10月20日ごろに書き込んでおく。
場所が決まっているだけで、土用は「何もしない期間」から「ここを整える期間」に変わります。終わるころには、もう立冬。整えた一角が、冬を迎える家の小さな拠りどころになるはずです。
五行では土は胃腸に通じると考えられ、土用は胃腸をいたわる時期とも言われます。秋晴れの続くこのころ、さつまいもや里芋、れんこんといった旬の根菜をことこと煮て、体の内側もゆっくり整えていきましょう。胃の調子がいつもと違うと感じるときは、無理をせず専門家に相談を。

Ray光の大黒柱建て師/一級建築士
建築の実理と風水の知恵で「家と心」をともに整える、天地結まほろばや主宰。プロフィール