お金・仕事2026.09.26読了目安 4分
値段ではなく「巡り」で選ぶ——長く使うものの、買い方の話
文:Ray(光の大黒柱建て師・一級建築士)

この記事の要点
- 値段はレジで払う一度きりの数字。本当の重さは、使い続ける年月の中で決まります
- 風水では、手に取られ手入れされるものに氣が巡り、しまい込まれたものには氣が留まりやすいと考えます
- 選ぶときのものさしは三つ。使う回数で割る・手入れや修理ができる・家の中に置き場所がある
- 消耗品や試す段階のものは、手頃なもので十分。力を入れるのは毎日手に取るものだけです
セールで買ったバッグの持ち手が、ひと冬でほつれてしまった。結局もう一度買い直して、最初から良いものにすればよかった——そんな経験、ありませんか。今日は節約の話ではなく、お金がモノに姿を変えたあと、どう巡っていくかというお話をしますね。
値段は、一度きりの数字です
建物の設計では、建てるときの費用と、使い続ける間にかかる費用を分けて考えます。建てる費用は、建物が一生のうちに使うお金の一部にすぎず、残りの多くは光熱費や点検、修繕として、何十年もかけて少しずつ出ていく、とよく言われます。だから設備を選ぶときは、カタログの値段より先に、十年後にこの機械とどう付き合うかを見るんです。
暮らしの買いものも、実は同じ形をしています。値段はレジで払う一度きりの数字。けれど、そのものとの付き合いは、毎日手に取るたびに続いていきます。
風水では、お金は流れるものと考えます。そしてお金はモノに姿を変えて家に入ってきます。手に取られ、手入れされるものには氣が巡り、しまい込まれて使われないものには氣が留まりやすい。「安物買いの銭失い」という言葉は、値段の話というより、巡らなくなったお金の話なのだと私は考えています。

「巡り」で選ぶ、三つのものさし
では、何を見て選べばいいのか。私が自分の買いものでも使っている、三つのものさしをご紹介しますね。
- 使う回数で割ってみる——一万円のコートを冬のあいだ週に三回、五年着れば、一回あたりは数十円。三千円でも、しっくりこなくて数回で手放せば、一回あたりは数百円になります。値札の数字ではなく、一回あたりで比べてみてください
- 手入れや修理ができるか——設備を選ぶとき、私は部品が取り替えられるか、点検口から手が届くかを必ず確かめます。暮らしの道具なら、洗える・研げる・靴底を張り替えられる。直せるものは、付き合いが長くなります
- 家の中に置き場所があるか——買う前に、それを家のどこに置くかを思い浮かべます。場所が浮かばないものは、どれだけ良いものでも出番が来ません。置き場所があるものだけが、毎日の流れに入れるんです
三つめは、意外と見落とされがちです。良いものほど「大事にしまっておこう」となり、そのまま氣が留まってしまう。使ってこそ、そのものは暮らしの中で生きてきます。

手頃なもので、十分なものもあります
誤解のないように添えておきますね。何でも高いものを選べば良い、というお話ではありません。
ティッシュや洗剤のような消耗品は、手頃なもので十分です。はじめて試す趣味の道具や、すぐにサイズが変わるお子さんの服も、まずは手頃なもので様子を見る方が理にかなっています。
力を入れるのは、毎日手に取るもの、体に触れる時間が長いものだけ。お財布、よく履く靴、毎晩の寝具、朝いちばんに使うマグカップ。ここに気持ちよく使えるものがあると、一日の始まりと終わりが、少しずつ整っていきます。
どちらが正しいではなく、お金の行き先にめりはりをつける。それが巡りのある買いものだと思います。
今日のひとこと行動
家の中で、毎日いちばんよく手に取っているものをひとつ思い浮かべて、それが気に入っているかどうか、確かめてみてください。
気に入っていれば、今日は少しだけ丁寧に手入れをしてあげてください。そうでなければ、次に買い替えるときのための、大切な手がかりになりますね。
秋分を過ぎて、衣替えの季節になりました。クローゼットから秋冬のものを出すときは、この冬もまた着たいかどうか、一枚ずつ手に取って確かめる良い機会です。朝晩は冷え込む日も増えてきましたので、どうぞ羽織りものを一枚、手元に。

Ray光の大黒柱建て師/一級建築士
建築の実理と風水の知恵で「家と心」をともに整える、天地結まほろばや主宰。プロフィール