暮らしの知恵2026.09.09読了目安 5分
毎年、家の各部屋のエネルギーが変わります——1年に一度の整え直し
文:Ray(光の大黒柱建て師・一級建築士)

この記事の要点
- 風水の年盤では、部屋が帯びる意味は年ごとに移り変わると考えます
- 建築の側から見ても、日射角度や風向きが変わるので同じ部屋の条件は1年で動きます
- 年の切り替わりは元日ではなく立春(2月4日ごろ)と考えます
- 計算をしなくても、1年に一度「役割と置き場」を見直せば十分です
年が明けてしばらくすると、なんとなく家の中の感じが違う気がする——そんなことはありませんか。風水では、家の各部屋が帯びる意味は毎年少しずつ移り変わると考えます。今日は、難しい計算をしなくてもできる「1年に一度の整え直し」をご紹介します。
同じ部屋でも、1年経てば条件は変わります
風水には、年ごとの星の配置を読む「年盤(ねんばん)」という見方があります。九つの星が毎年ひとつずつ位置を変えていく、という考え方で、風水ではこれによって同じ部屋でも年ごとに帯びる意味が変わると考えます。去年は落ち着いて過ごせた部屋が、今年はなんとなく座りが悪い。風水では、そういうことが起こりうると捉えます。
これは、建築の側から見てもそれほど不思議な話ではありません。私は設備設計を仕事にしていますが、同じ窓でも夏至と冬至では太陽の高度が40度以上変わります。南の窓から差し込む光の奥行きは、夏は窓ぎわまで、冬は部屋の中ほどまで届く。季節風の向きも変わりますし、外の木が伸びれば日射のあたり方も変わります。建てたときのままの部屋というのは、実はひとつもありません。
条件が動くなら、置き方も動かしていい。私はそう考えています。

年の切り替わりは、元日ではなく立春です
ここでひとつ、実用的な豆知識を。風水や東洋の暦で「年が変わる」のは、1月1日ではなく立春(2月4日ごろ)と考えます。二十四節気という、太陽の位置で1年を24に分ける暦の区切りです。ですから年盤の話をするときは、2月の頭を境目として数えます。
たとえば2026年は、風水の年盤では一白水星が中宮(真ん中)に入る年とされます。ただ、私は方位ごとの吉凶を細かく並べることはあまりおすすめしていません。数字を当てはめるほど「今年はこの方角がだめ」という話になりやすく、暮らしが窮屈になっていくからです。年盤は、当てるためのものというより、1年に一度立ち止まる合図として使うのがちょうどよいと思っています。
1年に一度の「部屋の整え直し」
では何をするか。立春の前後、あるいはご自分の区切りやすい時期に、この6つを見るだけで十分です。
| 見るところ | 1年に一度やること |
|---|---|
| 部屋の役割 | この1年、その部屋で実際に何をしていたかを書き出す。名前と実態がずれていたら、名前のほうを変える |
| 寝る場所 | 枕の向きと枕元の物を確かめる。眠りが浅かった時期がなかったか思い返す |
| 仕事の場所 | 机の向きと、背中側に何があるかを見る |
| 動線 | 半年以上動かしていない大きな家具の足元。掃除機が入るかどうか |
| 収納 | 1年まったく使わなかった物を、1箱だけ手放す |
| 光と風 | 各部屋の窓を開けて、風の通り道が塞がっていないか確かめる |
表にすると多そうですが、実際にやると1時間ほどです。特に効いてくれるのが、次の2つの部屋です。
寝室は「戻す」
眠っているあいだ、私たちはいちばん無防備です。風水では寝室を充電の場と考えますから、ここは足し算より引き算が向きます。枕元をいちど空にして、本当に必要なものだけを戻してみてください。充電ケーブル、読みかけの本、鏡。戻す前にひとつずつ「これは眠りを助けるか」と問うと、半分は戻りません。
ベッドや布団の下も、1年に一度は空にして拭きます。ここは埃と湿気がたまりやすく、建築の目で見ても通風の死角です。風水でも、寝ている真下がふさがっていると氣の巡りが重くなると考えます。
仕事場は「背中」から
机まわりでいちばん影響が大きいのは、正面ではなく背中側だと私は考えています。風水では、背後が定まっていないと落ち着かないと見ます。心理学の側から見ても同じで、人は背後が開いていると無意識に注意を後ろに割くと言われています。
背中に壁が来る配置にできればいちばんですが、間取りの都合で難しいこともありますね。その場合は、背もたれの高い椅子にする、背後に低い棚を置く、それだけでも体感は変わります。あわせて、机の下の配線と充電器を1年に一度まとめ直してください。足元がすっきりすると、座るときの心持ちまで軽くなります。

今日のひとこと行動
この1年でいちばん長く過ごした部屋を思い浮かべて、その部屋の物を3つだけ定位置に戻してみましょう。
年盤も方位も、覚えていなくて構いませんよ。1年に一度、部屋の役割と物の置き場を見直す。それだけで、家はちゃんと今年の自分に合わせて更新されていきます。
白露を過ぎて、朝晩の空気がひんやりしてきました。日中との気温差が大きい時期ですので、片づけに夢中になりすぎず、羽織るものを一枚そばに置いてお過ごしください。

Ray光の大黒柱建て師/一級建築士
建築の実理と風水の知恵で「家と心」をともに整える、天地結まほろばや主宰。プロフィール

