暮らしの知恵2026.10.01読了目安 4分
VOYAGERタロットという「未来を描く道具」——当てるより、使う対話
文:Ray(光の大黒柱建て師・一級建築士)

この記事の要点
- VOYAGERタロットは、写真のコラージュで描かれた78枚のデッキです
- カードは未来を言い当てるものではなく、自分の内側を映す鏡として使います
- 「どうなる?」を「どうしたい?」に言い換えるだけで、カードは対話の相手になります
- 一枚を眺めて、目に留まったものを一つ書き留めるところから始められます
「タロットって、当たるか当たらないかのものでしょう?」。そう聞かれることがよくあります。私が長く相棒にしているのは、VOYAGER(ボイジャー)タロットというデッキです。今日は、このカードを「未来を当てる道具」ではなく「未来を描く道具」として使う考え方をお話ししますね。
間取り図のように、未来を先に描く
VOYAGERタロットは、ジェームズ・ワンレス氏が1980年代に生み出したデッキです。78枚のカードは、たくさんの写真を重ね合わせたコラージュで描かれています。スートの名前はクリスタル・カップ・ワンド・ワールドの四つ。一枚の中に、自然や人の営み、道具や星空までが重なり合い、見るたびに違うものが目に入ってきます。
建築の仕事では、家を建てる前に必ず間取り図を描きます。図面の上で、朝どこで光を浴びたいか、家族とどこで顔を合わせたいかを先に決めておく。すると、その暮らしに向かって現実が組み上がっていきます。
私にとってVOYAGERのカードは、この間取り図にとても近いものです。これから起きることを言い当てるのではなく、「こんな未来に向かいたい」という輪郭を、カードの絵を手がかりに描いていく。
風水でも、住まいの氣は住む人の意識と響き合うと考えます。何を大切にしたいかがはっきりすると、家の整え方も、日々の選び方も自然と定まってくる。カードは、その「はっきりさせる」ためのきっかけなんです。

「どうなる?」を「どうしたい?」に
カードを「使う」いちばんの近道は、問いの立て方を少し変えることです。
| 当てようとする問い | 描こうとする問い |
|---|---|
| 転職はうまくいきますか? | 次の職場で、どんな一日を過ごしたい? |
| あの人とはどうなりますか? | あの人と、どんな関係を育てたい? |
| 今年はいい年になりますか? | 年末に、どんな気持ちで振り返りたい? |
問いが「どうしたい?」になると、カードは答えを告げる存在から、一緒に考える相手に変わります。
VOYAGERのカードには、決まった一つの意味を覚えるより、「いま自分の目に何が飛び込んできたか」を大切にする読み方がよく合います。同じ一枚でも、ある日は花に、ある日は遠くの山に目が留まる。その違いこそが、今のあなたの心の向きを映しているんですよね。

答えは、カードの外にある
私のタロットセッションでも、「当てる」より「使う」を大切にしています。カードを広げ、出てきた絵をきっかけに、今の状況や本当の望みを言葉にしていく。最後に「では明日、何をしてみましょうか」という小さな一歩まで一緒に決めます。
ですから、カードの答えに従う必要はありません。しっくりこない一枚が出たら、「どこが違うと感じるんだろう」と考えることも、立派な対話です。決めるのは、いつもあなた自身。カードはその背中にそっと手を添える存在だと、私は考えています。
もしカードを持っていなくても、この考え方は使えますよ。気になる写真や絵を一枚選んで眺めるだけでも、自分の内側の声は聞こえてきます。じっくり読み解いてみたい方は、メニューのタロットセッションもご覧ください。
今日の問いかけ
一年後の自分が「いい秋だった」と言っているとしたら、どんな場面を思い浮かべますか。
浮かんだ場面を、手帳に一行だけ書き留めてみてください。それが、あなたが描く未来の最初の線になります。
十月に入り、金木犀の香りがふっと届くころになりました。季節の変わり目、温かいお茶で体をいたわりながら、手帳を開くひとときを楽しんでくださいね。

Ray光の大黒柱建て師/一級建築士
建築の実理と風水の知恵で「家と心」をともに整える、天地結まほろばや主宰。プロフィール